医療機関が業務アプリを導入するときに確認したい6つのポイント
予約、問診、時間外の連絡、スタッフ間の情報共有など、クリニックや医療機関の業務の中には、アプリにすると楽になることがたくさんあります。一方で、医療機関ならではの気をつけたい点もあります。
この記事では、医療機関が業務アプリを導入するときに、導入後に「こんなはずじゃなかった」とならないために確認しておきたいポイントを6つにまとめました。
1. 「何を楽にしたいか」を一つに絞る
最初に決めたいのは、アプリで解決したい困りごとです。「時間外の電話の聞き取りが大変」「受付での問診票の記入に時間がかかる」など、具体的な場面を一つ挙げてみましょう。
あれもこれもと機能を盛り込むと、費用が増えるだけでなく、患者さんにもスタッフにも使いにくいものになりがちです。まずは一つの困りごとを確実に解決するところから始めるのがおすすめです。
2. 患者さんが迷わず使えるか
医療機関のアプリは、体調が悪いときや、ご高齢の方が使うことも多いものです。次の点を確認しましょう。
- アプリのインストールが必要か:スマートフォンのブラウザで開けるWebアプリなら、QRコードやURLからすぐに使えます
- 入力項目は最小限か:体調が悪いときに長いフォームを埋めるのは負担です
- 文字やボタンは大きく、言葉はやさしいか:専門用語を避け、次に何をすればよいかがひと目でわかるように
- スマートフォンが苦手な方への代わりの手段があるか:電話など、アプリ以外の連絡方法も残しておきます
3. スタッフの手間が増えないか
患者さんにとって便利でも、スタッフ側の確認作業や二重入力が増えては本末転倒です。
- 入力された内容を、いつ・誰が・どの画面で確認するのか
- 今使っている電子カルテや予約システムへの転記が必要になるか
- 院長先生だけでなく、受付・看護師などのスタッフも操作できるか
導入前に、実際の一日の流れに当てはめてシミュレーションしてみると、気づくことが多くあります。
4. 個人情報・記録の扱いを決めておく
症状や病歴などの健康に関する情報は、個人情報保護法で**「要配慮個人情報」**とされ、特に慎重な扱いが求められます。アプリを作る前に、次のことを決めておきましょう。
- 誰が記録を見られるのか(アクセスできるスタッフの範囲、ログインの仕組み)
- どのくらいの期間保存するのか、期間が過ぎたらどうするのか
- 患者さんへの説明(利用目的をアプリ上やプライバシーポリシーで示す)
- データをどこに保存するのか(サーバーの場所や、通信が暗号化されているか)
医療情報システムについては、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」なども参考になります。どこまで対応が必要かは、扱う情報やシステムの内容によって変わるため、制作会社と一緒に整理しておくと安心です。
5. 今の運用・連絡先と食い違わないか
アプリに表示する電話番号や受付時間、休診日などが、ホームページ・診察券・院内掲示の情報と食い違っていないかも大切なポイントです。
特に時間外の連絡先のように、状況によって変わる情報は、クリニック側で簡単に更新できるようにしておくと、変更のたびに制作会社へ依頼する手間がかかりません。
6. 小さく始めて、使いながら直す
最初から完璧なアプリを目指すより、必要な機能に絞って早めに使い始め、患者さんやスタッフの声を聞きながら改善していくほうが、結果的に使われるアプリになります。
依頼する制作会社が、公開後の修正や機能追加にどのように対応してくれるのか(保守の内容や費用)も、事前に確認しておきましょう。
導入事例:時間外診療のアプリ
cross bench では、呼吸器科のマツオカそらいろクリニック様に、時間外の連絡に対応するアプリを導入しました。患者さんに症状を入力していただき、連絡先の電話番号を表示し、やり取りの内容を記録として残す仕組みです。
- 導入事例:マツオカそらいろクリニック様 時間外診療アプリ
- 関連コラム:クリニックの時間外の電話対応をアプリで整える
まとめ
- まずは「何を楽にしたいか」を一つに絞る
- 患者さんが迷わず使えるか、スタッフの手間が増えないかを確認する
- 健康に関する情報は要配慮個人情報。閲覧範囲・保存期間・説明の方法を決めておく
- 表示する連絡先などは既存の情報とそろえ、クリニック側で更新できるようにする
- 小さく始めて、使いながら改善する
cross bench(クロスベンチ)では、高槻市を中心に、クリニック・医療機関向けの業務アプリの開発を、要件の整理から設計・開発・公開後の保守まで一貫してお手伝いしています。「こんなことはアプリにできる?」という段階から、お気軽にご相談ください。
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